CRAZY DAYS!

コペンハーゲンに留学中の日本人大学生のブログ。アイデアを客体化させる場所。

受け容れるということ

いつの間にかに11月に突入。コペンでの生活も慣れてきた。


1ヶ月以上前にアップロードしたストレスとホームシック - CRAZY DAYS!という記事を自分で読んでみた。


今はすごく気持ちが楽になって、ものすごく当時の状況を俯瞰(ふかん)できるから、読みながら思わず「ふふっ」ってなってしまった。そうは言っても、9月は本当に苦しかった。滞在期間が長くなってきて、いわゆる「お客さん(観光客)的な感情」というものがどんどん薄れてくるから、コペンハーゲンの悪いところだけが目について、安易に日本の良いところとデンマークの悪いところを比較したり、ほんの些細なことにイライラしていた。メール、チャット、そしてスカイプで僕の相談に乗ってくださった皆様ありがとうございました。


僕を悩ませた要因が主に3つあって...

1つ目、コペンハーゲンの天気の悪さ。

コペンハーゲン(多分、デンマーク全体)は天気が非常に変わりやすく、朝晴れていると思ったら昼にいきなり雨が降り出し、このまま天気悪いだろうなと思ってたら夕方晴れ出すし。10月の上旬くらいからコペンハーゲンの空はずっとグレー。晴れる日なんて少ないから、淀んだ空を毎日見ていてあまり良い気持ちになれなかった。おまけに、日照時間がどんどん短くなってきて、太陽の光をあまり浴びることができない。


2つ目、行政システムの遅さ・いい加減さ

デンマーク国民やこの国に在留する外国人にはCPRナンバーとEUレジデンスカード(日本でいうマイナンバー的なやつ)が発行される。日常生活において様々なところで提示をもとめられ、例えば、銀行口座を開設する場合や、ジムの会員になる時でさえもそのカードが見せないといけない。カードの手続きにだけに1時間半(友達は5時間)かかり、カード自体がなかなか配達されないという事態に見舞われて、スマホの契約ができなかったし、当時体調がかなり悪かったのにも関わらず、病院にさえも行けなかった。ちなみに未だ、EUレジデンスカードの方は配達されていない笑


最後に、寮

今住んでいる寮は、キッチン、トイレ・シャワー、ベッドルーム全てがシェアルーム。家賃が他の物件に比べて安買った(それでも約5万円)という理由でここを選んだんだが、なんせ全てシェアということでプライベートスペースがない。ルームメイトは幸いに同じ大学留学に来ている良い奴だが、彼とのあまりにもライフスタイルが違いすぎて、「12時就寝7時起床」の生活を日本で送っていた僕には、彼が起きている間(深夜2時半)は音楽の音漏れ、彼の立てるsteppingやパソコンのキーボードの音で寝ることができないし、特に水金にある朝8時からある授業に出席している時なんて、睡眠不足のせいでとにかくヤバかかった。この問題は未解決だから、プライベートルームがある部屋に来年頃に引越し予定。家賃は高くなるけど仕方ない。



何回も何回も何回も

「もうヤダ。日本なら......」

この言葉が頭を過ぎった。




先月イタリアとオーフス(デンマーク第2の都市)旅行から帰ってきて、次第に気持ちが穏やかになってきた。他の国や街を見たのと、気分的にリフレッシュできたおかげか、コペンハーゲンを良い意味で相対的に見れるようになったのかもしれない。


今更当たり前だが、気づいたのは...

そもそも、比較自体がナンセンス。

天気も行政も今住んでる寮のことも、デンマークの悪い部分を日本の良い部分、そして今の自分の環境と日本でのそれを比べたところでその先に何かあるわけではないし、SNSSkypeで友人に愚痴を漏らしたところで僕自身の気持ちが晴れるわけでもない。愚痴を聞いている友達も良い気分はしないはず。結局、誰も幸せにならない。こんな非生産的なことをするくらいなら、逆にコペンハーゲンデンマーク、そしてここに住んでいる人たちの良いところを見つけたい。地理的にはちっぽけだけど、この国には僕が知らないまだまだたくさんのことがある。この国には面白い文化がある。人々のライフスタイルがある。デンマーク人を見ているだけで、僕自身笑顔になれることが多い。こういう部分をもっと探すべきなのだ。


ここ数週間、

「僕ってDanesかぶれしてきてるな」

っていうことがよくあって、そのうちの一つが外でコーヒーを飲むこと。コーヒー片手にキャンパスの紅葉とコペンハーゲンの淀んだ空を眺めながら、様々なことを考える。少し嫌なことがあっても、30分のコーヒーブレイクがそれを僕の心の中でそれを和らげてくれる気がする。こんな贅沢な時間の過ごし方は日本にない。完全にDanesになりきるのは不可能だし、そのつもりもない。でも、自分の性格に合うような彼らの良いところはどんどん探し、真似して、とことんDanesかぶれして日本に帰国しようと思うからどうかよろしく。


大学では「異文化コミュニケーション」、「グローバルコミュニケーション・ストラテジー」等々たくさんの異文化適応などに役立つ講義を日本を去る前に学んだが、結局、言うは易し行うは難しで、たとえ「異文化」についての多くの理論を理解し、授業中どんなに議論しても、いざ自分の知らない文化に触れた時はやはり幾ばくかの困惑、不満そして葛藤のようなものは心の中で感じるのだ。「観察」→「受け容れる」という領域に達するまでに約1ヶ月かかった。でも、それでもいい。時間しか解決できないことだってある。


もっと、強くなろう。そして、残り8ヶ月を素晴らしいものにしよう。


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写真は、かのコペンハーゲン1有名な学生寮、Tietgenkollegiet(通称: ティットゲン)ここに座って飲むコーヒは格別。空が北欧って感じでしょ?