CRAZY DAYS!

コペンハーゲンに留学中の日本人大学生のブログ。アイデアを客体化させる場所。

イタリア旅行記

ただの自己満足をどうしても残しておきたくて、ここに書いてみる。



先日、イタリアからデンマークに帰国。今まで海外行って帰国する場所は当然日本だから、旅行終わって日本に帰らないってなんか不思議な気分。

10月9日から13日まで4泊5日でイタリア北部(主にミラノ、コモ、ベローナ、ベネチア)へ観光・ダブリンで知り合った友達と1年ぶりの再会を兼ねて一人で行ってきた。ダブリンのことやそこで会った友達については前回書いたブログを参照してね。http://banrihayashi.hatenadiary.jp/entry/2015/10/05/212702


DAY 1

基本的に旅行する時、僕は明確に計画を立てない。にしても、今回の無計画さは半端なかった。飛行機のコペンハーゲンベルガモ間の往復のチケットをbookしただけで、移動手段としっかり4泊分の泊まる場所すべてを決めないまま出発。

飛行機出発3時間前に、KUのパソコンルームでミラノの地下鉄マップとその他地域のグーグルマップのコピーを必要最低限印刷していた僕は完全にアホだ笑

コペンハーゲン空港からイタリアのベルガモ空港までは約2時間。

飛行機を降りて、まず最初に鉄道と地下鉄で真っ直ぐに向かった地はミラノへ。

ミラノへ行く道のりで、ちょっとしたエピソードが。

少なくとも僕が旅行したイタリア北部には、大きい駅を除いて、高速鉄道や普通の電車だけが通ってる駅大抵改札がない。その代わり、チケットに日付と時間をチェックインの証拠として印字する緑色の機会があるんだけど、イタリア初体験♂(意味深)だったし、上記の通り旅行のリサーチなんてほとんどしてなかったから電車の乗り方なんて知るわけなかった。

完全にやらかしたんだな、これがwww

後日友達に聞いた話によると、チケットをチェックインせず乗ると罰金50ユーロ(約6750円)を課せられるらしくて、そんなことも知らない僕はオンボロ鉄道にNoチェックインで意気揚々と乗車。

「あれ、改札ないね。でもチケット持ってるからいっかwww」って感じに。

電車に乗って外を眺めてたら、車掌さんが歩いて来て、イタリア語で「チケット見せて」って言ってきたわけですよ。勿論、僕はドヤ顔で印字無しのチケットを見せたら、

車掌さん「◎△$♪×¥●&%#?!!!!(イタリア語)」

ぼく「ファッ???Do you speak English?」

車掌さん「◎△$♪×¥●&%#?!!!!!!!!!!」


ミスコミュニケーション半端なかった。イタリア語で挨拶と1~10の数え方しか知らない僕には酷だったな。親切にも、僕の向かいに座っていたおじさんが「You need a stamp」って教えてくれたから、漸く状況が飲み込めた。どうなるのかなあって思っていると、チケットにペンで日付だけ書いて去っていった。

今回は幸運にも外人パワー(僕はイタリア人ではないから、知らないことや悪意なくやってしまったことは咎められないということ)が効いたから良かったけど、気づかないうちに社会的規範、最悪の場合、法を犯すことがあるから気をつけろよっていう良いレッスンになった。



こんなこともありながら、ミラノ到着したのは夕方。そこから一人で散策。

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ドゥオーモ駅から出た瞬間、思わず一人で歓声をあげてしまった。翌朝もこの場所に来たんけど、ミラノドゥオーモは夜の方が迫力があって美しい。因みにミラノエキスポの期間中ということもあって、夜9時半頃にも関わらず人多かった。

人の多さに圧倒されながらも、少し街を歩いて泊まる場所へ帰った。因みに、今回初めて使ったAirbnbで泊まったところのホストがなんと日本人!美味しいお酒とハムをご馳走になった上に、ホストのEishiroさんがイタリアに渡った経緯や、僕がコペンハーゲンに留学している理由等々濃い話ができて本当に良かった。Eishiroさんお世話になりました。


DAY 2

翌朝、1年ぶりに最初に再会した友達は、ミラノガールElenaちゃん!

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彼女は元々日本食loverで日本に少し興味がある+僕が日本人ということもあって、語学学校内外関わらずよく話していた。性格がすごく良いし、どちらかと言うと控えめな性格。さすがElenaちゃん!専攻が観光学なだけあって、3時間でたくさんのところに連れて行ってくれた。ガイドもすごく分かりやすかった。

連れて行ってくれた場所の中でも、Milan Duomo以外で綺麗だったのがArco Della Pace

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Photo by Elena

どっしりとした佇まいと、この天気が最高だった。


別れ際に、「次ミラノ近郊でどこ行ったら良い?」っていうノープランな僕の質問に、Elenaちゃんの「Lake como(コモ湖)は?」という提案で早速GO!

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この湖見ながら飲んだHeinekenは格別だった。特に目につくものがあるわけじゃないんだけど、週末息抜きしたいなっていう時にドライブに来たいところ。

一時間かけてミラノに戻り、高速鉄道でベローナへ。駅からゲストハウスまで徒歩15分もかからないはずなのに、道に迷った挙句、ゲストハウスの場所が超絶分かりづらかった(看板がなかった)ので結局1時間もかかって到着。流石に、どうしたらいいかわからなくなった時、ゲストハウスに電話したら、brokenな英語だったけどおばちゃんが親切に近くにある建物を教えてくれた。ナイトウォークする予定だったけど、重いバッグパック背負って一日中歩き回ったのと、やっと寝る場所にたどり着いたという安堵感のおかげでシャワーも浴びずに8時間爆睡。



DAY3

そして、翌朝見た景色がコレ。

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ベローナアリーナ。10ユーロ払って入場したのにまさかの中身は工事中wwwwwお金払った後に「今工事中だから、アリーナの中心部には入れないんだけどね(ニッコリ)」って受付のお姉さんwwwwww


「それ先に言えや!!!」


チケットちぎられたし、「やっぱ、いいっす」なんて言えなかったしな。お姉さんの陰謀によって、僕はまんまとハメられたのであった。中の写真は残念すぎるからあえて貼らない笑

一人で一眼レフ片手に歩き回っていたら、友達に「早く来いよ」と言わんばかりのメッセージが来ていたので、ベローナの街を散策せず、高速鉄道に乗ってPadova駅へ。電車降りたら待っていてくれてた、このカップル(RiccardoとSara)が。駅のホームに人はたくさんいたけど、すぐにこの二人を見つけることができた。言葉ではうまく言い表せない、彼らの暖かくて優しい雰囲気といい、笑顔といい、1年前と全然変わってなくて、なんだか泣きそうになった。

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嬉しいことに車で迎えに来てくれていて、Riccardoの運転でフードフェスに連れて行ってくれた。

因みに上の段3つと、真ん中の段の左から1つが前日のミラノで食べたもの。それ以外がこの日のフェスの屋台で食べたもの。フェスで食べたハムandチーズサンド的なやつとニョッキが特に美味しかった。やっぱ、チーズ最高っす。

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どこの国でも"屋台 is justice!"なのかな。安いし、美味しいし。そして、食文化の観点から改めてイタリアいいなって思った。


その後は、Cittadella(チッタデーラ)へ。AD13Cからあるこの市街地は高い壁に囲まれていて、学割で3ユーロ払えば、この壁を歩かせてくれる。KUの学生カード召喚できて良かった。中に入るために10ユーロの捨てたベローナアリーナの1000倍得した感じ!この日も天気が良くて、景色が最高。雄大だね。

その後は、グラッパで有名な橋の近くのバーで、ビールとグラッパをRiccardoの日本LOVEな友達と一緒に飲んで、帰りにピザを平らげた。

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今まで食べた中で一番美味しいピザだった。そこでもまたRiccardoにビールを一杯飲まされて…因みに、日本だとお酒飲んだら運転できないけど、イタリアではビール2杯程度ならOKらしい。彼の性格は穏やかなのに車の運転少し荒い+この時お酒入ってるから帰り道怖かった笑


DAY4

当然、翌日2人とも見事に寝坊して、1時間に一本しかない電車を逃し、お昼くらいにベネチアに到着。



ずっとあこがれの街だった。数年前から「いつかこの美しい街に旅行できたらな」って思っていたから、こんな形で僕の小さな夢が実現するとはつゆにも思わなかった。幸運なことにこの日も天気が良かった。

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Riccardoと2人、無言で歩きながら僕がふと考えていたのは、世の中にはたくさんの贅沢があるけど、迷路みたいなベネチアを1日中歩いて、2ユーロでサンドイッチとワインを飲みながら運河と建物に隠された狭い空を眺めて……こんな贅沢な時間の過ごし方なんてそうそうない。僕には観光客向けの高いレストランに行く必要も、高価なものを買う必要もなかった。ただそこにいるだけで良い。本当に時間の流れが不思議な場所、それがベネチア

そうこうしているうちに夕方に。


最後に再会を果たした友達は、Carlotta(キャロッタ)。

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僕すげえ顔してるな笑 僕とそんなに年の差無いように見えるけど、こう見えてまだ18歳のJK!去年初めて出会った時、同い年か1つ下かなーーーなんて思ってたら、4つも離れてたからなんか衝撃的だった笑 僕がこの子を大好きな理由は、英語がうまいだけじゃなくて話す言葉にセンスがあるんから。ユーモアであったり、人を元気付ける言葉だったり。そして、やっぱりね、僕みたいに大らかな大雑把な部分を持っているのがなんか共感出来るんだよねwwwww

Riccardo、Carlottta、僕の3人でスピッツ飲みながら、話してた。勉強の話、将来の話、そして、もう一度ダブリンに戻るのか......2時間なんてあっという間だった。時間なんていくらあっても足りないんだろうな。お別れの時、Carlottaが今にも泣きそうな顔で"I’m trying not to cry. Don’t say anything(今泣かないようにしてるの。何も言わないで)"って言ってきた時は、もうね。そして、何故か持ってたをタバコくれた。


今禁煙してるのに、ありがとうwwwww


おかげで涙が引っ込んだ。

そうは言ってもRiccardoと一緒に家へ帰る途中、どうしても涙を堪えることができなかった。あこがれの国を訪ねることができた幸福感、1年ぶりに時間と距離を越えてElena, Riccardo, Sara, Carlottaの4人に会えた喜び、もうお別れするんだっていう悲しみ、そして、次はいつ会えるんだろうっていうある種の不安で複雑な思いだった。1年前にダブリンで彼らと別れた時と同じ感情。何歳になっても自分は泣き虫なんだな笑


この夜は、僕のイタリア最後の夜ということもあって、Riccardoのお母さんが僕のリクエストに応えてカルボナーラ作ってくれてた。カルボナーラ、チーズ、赤ワイン…イタリア人の家にホームステイにして、しかもイタリア料理を堪能できるなんて本当に幸せだ。

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これがRiccardoファミリー。Riccardoパパと弟は英語が話せるから英語で普通に会話できたんだけど、ママがすごくチャーミングで一生懸命イタリア語で僕に話しかけてくれた。


FINAL DAY

最終日、この日は空港への移動のための日だった。ベルガモへ向う電車の中、雨が降るグレーの空を眺めながら、コペンハーゲンでの生活のこと、このイタリア4日間のことをずっと考えていた。勿論友達との別れはすごく辛かったけど、僕の心は満たされていた。大学の1週間のバケーションがあると知った時、飛行機のチケットをすぐに予約してイタリアに飛んできた。今僕が住んでいるコペンハーゲンの寮は1つの部屋を2人でシェアして生活しているから、一人の時間を見つけるのが大変で、とにかく一回コペンハーゲンから離れたかった。変なものを勝手に抱え込んで息苦しくなっていたのかもしれない。

コペンハーゲンとは違う時間が流れているところで一人で考えたかった。その選択がかつてからのあこがれの国であるイタリアだった。飛行機代を考えれば、イギリス、ノルウェーを選んだほうが正直安くついたはず。ドイツやスウェーデンはバスや電車があるからもっと安く行ける。でも、わざわざ高いお金払ってまでもこの国に来たかった。Riccardoが連れて行ってくれた観光客が行かない(行けない)ようなところに興味があったし、一番はイタリア人の生活に触れたかった。

イタリアという事実上、僕にとって初めての非英語圏旅行だった(デンマークではかなり英語が通じるから)。しっかりと旅行に関するリサーチはしなかったけど、行く前にイタリア語を少し勉強して行った事はすごく良かった。というのも、挨拶、自己紹介、数(1~10まで)を覚えるだけで、自分に対するイタリア人の反応がかなり良くなったと感じたから。例えば、Riccardoの家族に"Good morning"と言わずに、僕の拙い発音で"Bongiorno(おはよう)"って言っただけで"Bravo"ってすごく喜んでくれた。あと、物を買った時とか、数を覚えていたおかげでお金の支払いが割とスムーズに出来た。ほんの些細な事だけど、彼らに受け入れられた感じがして僕もすごく嬉しかった。だから、言葉って大切なんだな。


旅行中、コペンハーゲンでの生活についても思いを巡らせていた。

デンマークに来て以来、国民の幸福度についてもう考え始めているんだけど、イタリア来て分からなくなった。デンマークは高税率高福祉が国民の幸福の高さに貢献している一つの要因。経済もそこまで悪くない。一方、イタリア未だ失業率の高さに喘いで、労働市場の外にいる人がたくさんいる。ElenaもRiccardoも「未だにここで仕事を得るのは大変だよ」って言ってた。それでも、彼らが電車の中やベネチアでもカフェでコーヒーを飲みながら、嬉しそうに話したり、大声で笑っていたりする人はたくさんいて…なんだか、僕まで嬉しい気持ちなってしまったな笑

人々にとって何が幸福なのだろうか。経済的な要因、例えば、富の再分配、ジニー係数、一人当たりGDP...色んな指標があるけど、こんなものだけでは根本的な何かを見失ってしまう。深い意味での幸福を知るために、もっと人の生活に根ざしたものを考えないといけない。イタリア人を見ながらこんなことを考えていた。


僕は国民の幸福度が世界一高い国と言われているデンマークに住んでいる。エコノミクスの観点以外からもDanesたちをもっと知りたい。完全に彼らになりきるのは無理だし、そうしようとも思わない。でも、せっかくこの素晴らしい国にいるから、せめて彼らの心を理解できるようになりたい。彼らの中に入っていきたい。

もはや、イタリアとあまり関係ない話になってるけど、ベルガモへの電車でこんなことを考えていた。今後のコペンハーゲンライフが楽しみだ。残念ながら、楽しかったこと考えた事を全てここに書けないし、そうしようとも思わない。未成熟だけど、本当に大切な部分はまだ自分の中にしまっておこう。それが成熟した時、いつか自分の考えとしてこのブログで公表できるといいな。


最後に、僕に会ってくれたElena, Riccardo, Sara, Carlotta、二日間お世話になったRiccardoファミリー、お金を出してくれた僕のパパママありがとう。


イタリアンの友達よ、今度は日本かコペンハーゲンで会うのを楽しみにしてるね。

Grazie Mille! Ciao ciao :)